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「原点に立ち返る」謙虚さ前面に

記者会見を終え会場を後にする安倍晋三首相(左)を見送る菅義偉官房長官(中央)と萩生田光一官房副長官(右)=首相官邸で2017年6月19日午後6時40分、川田雅浩撮影

報道各社世論調査で支持率下落 人事で回復狙う

 安倍晋三首相は19日の記者会見で「4年前の原点にもう一度立ち返る」と謙虚な政権運営に努める姿勢を強調した。毎日新聞など報道各社の世論調査で内閣支持率が軒並み下落したのは、「1強」のおごりと無関係ではないからだ。首相は会見で「人づくり革命」という新たな政策のキャッチフレーズを打ち出し、内閣改造・自民党役員人事とあわせて局面を転換しようとしている。

 自民党の二階俊博幹事長は19日、政府・与党協議会で「これから謙虚に、安定的な国政を進めていきたい」と述べ、首相と同様に「謙虚」を口にした。学校法人「加計(かけ)学園」の問題や、「共謀罪」の構成要件を改め「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法に対する世論の反発に与党は敏感になっている。公明党の井上義久幹事長も「できるだけ丁寧に説明し、理解を得るようにすることが重要だ」と二階氏に同調した。

 支持率がさらに下がるようだと、自民党内の不満は高まりかねない。首相と距離を置く石破茂元幹事長は19日、「支持率は上がることも下がることもある。謙虚に受け止め、いかに回復するかを考えなければならない」と記者団に語った。中谷元(げん)前防衛相は岐阜市内で「政権は国民の支持がなければ進まない」と述べた。

 政府関係者によると、「人づくり革命」は首相の発案だという。首相は経済政策「アベノミクス」の強化や働き方改革にも触れたが、さらに新味を出そうとしたようだ。

 一方、首相は人事の時期を「これからじっくりと考えたい」と明言しなかったが、政権内では8月下旬から9月が有力視されている。ただ、内閣を支えてきた菅義偉官房長官は加計問題を巡る答弁で批判の矢面に立っており、留任なら「刷新」色は薄まる。【西田進一郎、朝日弘行、岡正勝】

 野党は東京都議選(23日告示、7月2日投開票)に向けて攻勢を強めている。民進党の蓮舫代表は19日、首相の記者会見を「『加計学園』の『加計』という言葉が一言もなかった。何となく反省したかのような発言はあるが、都合の悪いことには言及せず、言い訳と自画自賛ばかりだった」と批判した。

 同党幹部は「加計問題は都議選の追い風になる」と指摘する。国会は18日に閉会したが、街頭演説など安倍政権の体質を批判できる場面はあるからだ。共産党の志位和夫委員長も19日の党会合で「逃げていく自民、公明両党を攻めに攻めて、追い詰める論戦をしていきたい」と強調した。

 ただ、毎日新聞の17、18両日の全国世論調査で、民進党の支持率は5月の前回調査から2ポイント増えたとはいえ8%。自民党の27%とは大きな開きがある。都議選では、小池百合子都知事が率いる都民ファーストの会とも競わなければならず、既存の野党は政権批判の受け皿になりきれていない。【樋口淳也】

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