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クロマグロ

漁獲枠突破へ 日本、規制提案守れず

日本の太平洋クロマグロ(小型魚)の漁獲量

 すしネタや刺し身に使われる太平洋クロマグロの小型魚(30キロ未満)の漁獲量が、国際合意に基づく日本の年間漁獲枠の上限を週明けにも超える見通しとなった。西日本の近海を中心に豊漁のためだ。漁獲枠は資源保護のため、日本の提案で設定されたが、旗振り役自らが規制を守れない事態に、国際社会から批判を浴びそうだ。

     規制は日本や米国、欧州連合(EU)、台湾など26カ国・地域が加盟する中西部太平洋マグロ類委員会(WCPFC)が2015年に設定した。日本には毎年6月末までの1年間に4007トンの枠が割り当てられており、超えた分は翌年の枠から差し引かれる。02年から3年間の平均漁獲量の半分という厳しい内容だ。世界最大の消費国である日本が提案した。

     初年度は変則的に1年半だったが、3053トンと枠内。ところが今年は今月21日時点で漁獲量が4006トンに上り、枠の上限まで残り1トンに迫っている。急増のはっきりした要因は分からないが、前年の規制が影響したとみられる。

     水産庁は西日本ブロックには操業の自粛を要請している。しかし要請には罰則がなく、強制力はない。ほかの魚を狙ってもマグロが交ざる混獲もあり「週明けには枠を突破しそう」(水産庁幹部)な状況だ。

     水産庁は18年から、上限に迫った際の操業停止命令に従わない場合に3年以下の懲役または200万円以下の罰金を科す罰則付きの法規制を設ける。鹿児島大の佐野雅昭教授(水産経済学)は「規制作りをリードした日本が約束を守れないのでは他国に示しが付かない。4007トンは絶対に超えてはいけない基準として、実際の漁業者への漁獲枠の割り当てはそれよりも少なくして余裕を持たせるなど、工夫が必要だ」と指摘している。

     ただ消費者への影響は少なそうだ。太平洋クロマグロの供給量は国内のマグロ全体の1.5%程度で、山本有二農相は21日の記者会見で「家庭でマグロが食べられなくなったということにはならない」と強調した。30キロ以上の大型のクロマグロやメバチマグロ、キハダマグロなども漁獲量の規制があるが、「現時点で規制を超えるような問題にはなっていない」(水産庁幹部)という。【小川祐希】

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