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特集:ぼうさい甲子園 表彰式・発表会 考え、語り、築く 僕らの3・11後(その1)

 ◇あすへの備え、学校・地域から発信

 学校や地域で取り組む優れた防災教育・活動を顕彰する「ぼうさい甲子園(1・17防災未来賞)」=毎日新聞社、兵庫県、(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構主催、UR都市機構協賛=の表彰式と発表会が今月8日、神戸市中央区の兵庫県公館で開かれた。8回目となる今年度は、小学生、中学生、高校生、大学生の4部門に計92件の応募があり、28団体が入賞。東日本大震災の被災地から参加し、ぼうさい大賞を受賞した釜石市立釜石小、釜石市立釜石東中や、2年連続で最高賞のグランプリに輝いた徳島市津田中など8団体の発表を紹介する。

 ◇東北にエール--支援特別賞の生徒ら

 今年のぼうさい甲子園の表彰式・発表会では阪神大震災(95年)の被災地となった兵庫県内で東日本大震災の被災地を支援する活動が評価され、東日本大震災支援特別賞などを受賞した生徒や学生らが、同じ被災地で復興に向け活動する「仲間」にエールを送る場面があった。

 宮城県南三陸町でFM局の開局に携わった流通科学大の「RYUKA(りゅうか)被災地復興サポートチーム」で、流通科学大3年の時井勇樹さん(21)は「これからもできることを長く続けたい」。兵庫県が淡路島に整備した避難所に関する提案をまとめた県立淡路高2年の福原朱梨(あかり)さん(16)は「私たちにできることは少ないかもしれないが、できるだけ支援していきたい」と語った。

 津波などで破損した写真の修復活動に取り組む「あなたの思い出まもり隊」メンバーで神戸学院大4年の小池真名美さん(22)は「最後の1枚まで返したい」。被災地でのボランティア活動に繰り返し参加した県立舞子高2年の久保力也さん(17)は「自分たちができることは少ないが、ずっと支えたい」と述べた。

 ◆司会

 ◇初めての被災地に涙

 永井梢(こずえ)さん(18)と、猪口陽菜(はるな)さん(18)は、全国唯一の防災専門の学科を持つ兵庫県立舞子高校環境防災科3年で、放送部に所属する。震災の記憶のない世代だが、「この土地に生まれたからには、震災の恐ろしさや防災の大切さを伝えよう」と勉強してきた。そんな中、東日本大震災が発生。5月に約1週間、宮城県東松島市で民家の泥かきなどのボランティアをした。初めて見る被災地は、想像をはるかに超えた惨状で、涙が出たという。泥かきを手伝った農家の女性と、手紙での交流は今も続く。

 永井さんは「大学進学後も東北の復興に関わっていきたい」と話した。

 ◆関連行事

 ◇仲間と決意交わす

 ぼうさい甲子園の表彰式・発表会前日の7日には、神戸市中央区の「人と防災未来センター」でぼうさい甲子園の関連行事が開かれ、入賞した児童・生徒らが参加、交流を深めた。

 「災害メモリアルKOBE2012」(実行委主催)では、東日本大震災の被災地の受賞校の中高生が体験を報告し、今後の決意を語った。ぼうさい大賞を受賞した岩手県釜石市の釜石東中の柏崎楓さん(2年)は、間借りして授業を行っている市内の中学校から、4月から仮設校舎に移り、新しい学校生活が始まることについて「一生懸命、『普段通り』を大切にしたい。できないことよりできることを数えたい。私たちは負けません。私たちは、これからです」と力強く話した。

 NPO「さくらネット」が主催したワークショップでは、翌日の発表会を前に参加者らが交流。今年の目標を紙に書き「仕事を頑張る」「(被災地の)復興の手伝いをする」などと披露しあった。東日本大震災支援特別賞を受賞したボランティア組織「いわてGINGA-NETプロジェクト」に関西から参加した帝塚山大の木村彰宏さん(3年)は「活動を続けるために、関西でも学生同士のネットワークを作りたい」と話していた。

 ◆パネル展示

 ◇笑顔の横断幕

 会場の兵庫県公館では、入賞団体の取り組みを紹介するパネルなどが展示された。

 はばタン賞に選ばれた造形絵画教室「アトリエ太陽の子」は、たくさんの笑顔を描いた約13メートルの横断幕を展示した。約300人の神戸市の子どもたちが、東日本大震災の被災地へ「絵を通じて友だちだよ、というエールを送りたい」という思いで描いた作品。会場を笑顔で包んだ。

 グランプリを受賞した徳島市津田中は、東日本大震災後の意識変化や防災対策について地域でアンケートをした結果を掲示した。他にも、被災地でのボランティア活動の写真や、防災教育をまとめた冊子などが展示され、来場者は熱心に見入っていた。

 ◆講演

 ◇一刻も早い避難を--河田恵昭・選考委員長

 表彰式に先立ち、選考委員長を務めた河田恵昭・人と防災未来センター長が講演した。三重県の依頼を受けて東日本大震災前から執筆していた避難の心得をまとめた冊子「にげましょう~災害でいのちを失くさないために~」を紹介しながら、豪雨や津波、高潮など、さまざまな災害時に避難することの大切さを強調した。

 広域豪雨やゲリラ豪雨など豪雨災害については、発生メカニズムを解説し「川の近くは特に危険で、1級河川が氾濫した場合は堤防から500メートル程離れた、普段川が見えない場所でも家ごと流される恐れがある」「道路に浸水し始めてから避難するのでは、どこに深い場所があるのか分からず、特に夜間は非常に危険」などと早期の避難を訴えた。

 また津波については「逃げないと津波で亡くなってしまうという事実が東日本大震災で突き付けられた」と指摘。「1分以上立っていられないような揺れが続くプレート境界型の地震では津波が来る。一刻も早く、10メートル以上の高台、もしくは鉄筋コンクリートの屋上に逃げるのが基本」と話した。

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 ◇11年度受賞校・団体

 【グランプリ】

徳島市津田中

 【ぼうさい大賞】

岩手県釜石市立釜石小

釜石市立釜石東中

愛知県立日進高

 【優秀賞】

岩手県宮古市立鍬ケ崎小

宮城県気仙沼市立階上中

岩手県立宮古工高

金沢大学能登見守り・寄り添い隊「灯」(石川県)

 【奨励賞】

長崎県南島原市立大野木場小▽香川県丸亀市立城辰小▽和歌山県印南町立印南中▽兵庫県立淡路高▽立命館大学国際部国際協力学生実行委員会(CheRits、京都府)

 【はばタン賞】

アトリエ太陽の子(兵庫県)▽水の自遊人しんすいせんたいアカザ隊(山口県)▽新潟県立柏崎工高

 【だいじょうぶ賞】

千葉県立東金特別支援学校

 【東日本大震災特別賞】

仙台市立七郷中▽仙台市立八木山中▽宮城県南三陸町立歌津中▽南三陸町立志津川中▽宮城県大河原町立金ケ瀬中

 【東日本大震災支援特別賞】

山陽女子高(岡山県)▽高校生東北商店街(神奈川県)▽あなたの思い出まもり隊▽流通科学大・RYUKA被災地復興サポートチーム▽神戸女子大Smile空間プロジェクト(兵庫県)▽いわてGINGA-NETプロジェクト

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 堀江拓哉、矢島弓枝、三上健太郎(社会部)石川貴教(神戸支局)吉田卓矢(高松支局)中尾卓英(福山支局)小川昌宏、竹内紀臣(写真部)が担当しました。

毎日新聞 2012年1月30日 東京朝刊

 
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