長良川河口堰(ぜき)(三重県桑名市)の開門調査の可能性について検討してきた愛知県の検証プロジェクトチーム(PT)=座長・小島敏郎青山学院大教授=が25日、最終報告書を大村秀章知事に提出した。下部組織の専門委員会が提言した「長期間の開門調査」の是非には触れず、国土交通省との合同会議設置を県に求める中立的な内容。県は合同会議設置を同日中に国交省中部地方整備局に申し入れる予定で、中部地整幹部は毎日新聞の取材に「前向きに検討することになるだろう」と話している。
大村知事は「提言を踏まえ、最適な運用を目指して引き続き河口堰の課題を検討したい」と述べた。新年度から県庁内に実務者レベルのPTを設け県単独でできる取り組みの検討を始める方針。
報告書は、合同会議で「堰の弾力的運用から開門調査までのあらゆる可能性」を検討するよう提言。開門調査を求めた専門委の報告書については「立ち入った審議はしない」とした。知多半島の水道水源の切り替えなどを県単独で実施し、堰がなくても水の供給に問題が出ないことを示すことも求めている。
堰の水を工業用水などで使用している三重県の鈴木英敬知事は開門調査に難色を示しており、岐阜県の古田肇知事は現段階では静観。調査実現のめどは立っておらず、報告書は、両県の理解を得るよう注文もつけた。
専門委共同座長の今本博健・京都大名誉教授(河川工学)は「検証PTはさまざまな立場の委員の意見を反映させる必要があったのだろう」と、報告書が開門調査の是非に踏み込まなかった理由を指摘。「治水、利水、環境などを検討した結果、河口堰の効果がないのは明らか。合同会議で同じ土俵で議論し、論理的な結論を導いてほしい」と望んだ。
検証PTの公開ヒアリングで「河口堰ができてから長良川の水が汚れた」との意見を述べた岐阜県羽島市の川漁師、大橋亮一さん(76)は「堰を開ければ長良川はきれいになる。ぜひ開門調査をして昔の川に戻してもらいたい」と求めている。【加藤潔】
毎日新聞 2012年1月25日 14時20分(最終更新 1月25日 14時28分)
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