警察庁は24日、インターネットを利用して他人のID・パスワードをだまし取る「フィッシング」を処罰する規定を盛り込んだ不正アクセス禁止法改正案の骨子をまとめた。同日開会の通常国会に提出する方針。不正に取得したID・パスワードを悪用した事件が多発する中、フィッシング行為を罰する規定がなく、抜本的な対策を迫られていた。
改正案によると、フィッシングや不正プログラムなどによって他人のID・パスワードを取得することを一律に禁止。フィッシングの典型的な手口である(1)偽サイトをネット上に作成して閲覧可能な状態にする行為(2)偽サイトに誘導するメールを送信する行為--も処罰の対象とした。いずれも「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」を科す。
(1)や(2)を処罰対象にしたのは、フィッシングの実行者を早期に摘発するためだ。捜査当局が偽サイトや誘導メールの情報をつかめば、ID・パスワードが不正に取得されていない段階でも捜査に着手できるようになる。
00年施行の不正アクセス禁止法は、権限のない者がコンピューターに無断でアクセスすることを禁止したが、当時はフィッシングの横行が想定されておらず、IDやパスワードなどの不正取得への規制がなかった。改正案では、不正アクセス行為に対する罰則についても「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」から「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」に引き上げる。【鮎川耕史】
実在する企業を装った偽サイトやメールを利用し、ID・パスワードや個人情報をだまし取る行為。ネットオークション事業者やクレジットカード会社などのウェブサイトに似せた偽サイトにメールで誘導し、パスワードなどを入力させる手口が多い。
毎日新聞 2012年1月24日 10時59分(最終更新 1月24日 13時25分)
岩手県・宮城県に残る災害廃棄物の現状とそこで暮らす人々のいまを伝える写真展を開催中。