東日本大震災の津波で児童70人が死亡、4人が行方不明になった宮城県石巻市立大川小学校の子供たちの鎮魂と「子供たちが二度と津波をかぶらないように」との願いを込め、茨城県筑西市板橋の農業、斎藤行正さん(67)がカブラ(カブ)で仕立てた観音菩薩(ぼさつ)像を作っている。「カブラ観音」と名付けた約50個を30日、同市に住むNPO役員を通じて現地へ届ける。
小学校PTA会長を務めた経験がある斎藤さんは大川小のニュースに「何かできることはないか」と心を痛め、観音像に鎮魂の祈りを託そうと考えた。昨夏はパンダの顔のカボチャを作って石巻市の避難所に贈っており、今度は「もう津波をカブラないで」と念じてカブでの制作を思いついた。
材料のカブは友人の農業者に提供してもらい、先月から作り始めた。漬物に使われる白カブの頭を包丁ですっぱりと切り、もう一つの赤カブの下側も切断。切断面をテープで密着させる「接ぎ木」ならぬ「実接ぎ」の方法で作り、鉢植えにした。観音像は高さ十数センチ。
現地に届ける筑西市の会社役員でNPO「石巻復興サポートセンター」理事の谷島克美さん(42)は「震災を忘れず、ずっと被災地を支えていきたい」と話す。斎藤さんは「子供たちが観音さまになって、地上の友達が津波をかぶらないようにと祈ってもらえたら」と残りの観音像作りを急ぐ。【安味伸一】
毎日新聞 2012年1月28日 13時15分(最終更新 1月28日 14時10分)
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