新東名高速道路の用地買収に絡む脱税事件で中日本高速道路が、愛知県豊川市の採石会社に対する裏補償の「確認書」を大手ゼネコンに示し、採石会社に便宜を図るよう求めていたことが分かった。名古屋地裁(谷口吉伸裁判官)で24日あった元中日本高速社員、山田真己被告(42)=所得税法違反と詐欺罪で起訴=の公判で検察側が明らかにした。中日本高速はこれまで確認書は「存在しない」としていた。
検察側冒頭陳述によると、確認書は山田被告が用地交渉した採石会社と交わされ、中日本高速が正規の用地買収額75億円以外に45億円の裏補償を採石会社側に支払うという内容だった。確認書は、09年に東名高速のトンネル工事を発注した大手ゼネコンに示され、「好意的な配慮」をするよう求めたという。
両社は、砂利を購入したり、下請けに入れて12億~18億円を補償する「協力メニュー」も採石会社に提示した。また、中日本高速は他の関連工事で採石会社に約4100万円を補償したという。
大手ゼネコンは「裁判中なのでコメントできない」とし、中日本高速は「採石会社が要求していることを伝えるため(確認書の)写しを見せたのは事実だが、裏補償をする意図ではなかった」とコメントした。
起訴状によると、山田被告は07年、知人の土地家屋士2人に架空の測量業務費を中日本高速に請求させ、同社から約1500万円をだまし取った。同年に採石会社から受け取った金を合わせた計約7700万円を所得申告せず、所得税約2600万円を脱税したとされる。山田被告は起訴内容を認めている。【岡大介、山口知】
毎日新聞 2012年1月25日 1時55分
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