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熱き社長たちが目指した京都式「新市場創出」

中村智彦・神戸国際大学教授
心臓モデルの製作作業=クロスエフェクト提供
心臓モデルの製作作業=クロスエフェクト提供

 10月28日掲載「ネット強制導入で脱・下請け目指した経営者の20年」で紹介した「京都試作ネット」は、2001年7月に京都の機械金属関係の中小企業10社が合同で設立した。インターネット上に共同受注のホームページを設けて事業を行う取り組みは各地にあり、そう珍しいことではないが、実際に機能している事例は少ない。

 京都試作ネットが注目されたのは、一つには試作加工に特化したこと、二つには2時間以内に返答する「クイックレスポンス」を前面に打ち出したことである。現在、月100件ほどの問い合わせを受けるようになった。

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神戸国際大学教授

1964年、東京都生まれ。88年、上智大学文学部卒業。96年、名古屋大学大学院国際開発研究科博士課程修了。外資系航空会社、シンクタンクで勤務。大阪府立産業開発研究所、日本福祉大学経済学部助教授を経て、現職。専門は中小企業論と地域経済論。中小企業間のネットワーク構築や地域経済振興のプロジェクトに数多く参画し、TBS系「坂上&指原のつぶれない店」にも出演。