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盛り土、都からの提案だった

盛り土がされていなかった主な建物と地下の状況

07年5月の専門家会議第1回会合で

 東京都の築地市場(中央区)からの移転が延期された豊洲市場(江東区)の主要建物下に盛り土がされなかった問題で、土壌汚染対策を検討する外部有識者の「専門家会議」の提言に盛り込まれた4.5メートルの盛り土は、都側からの提案だったことが分かった。専門家会議の座長を務めた平田健正・放送大学和歌山学習センター所長が、毎日新聞の取材に明らかにした。

 自ら諮った盛り土の案を都が独断で撤回していた。専門家会議の議論を軽視したとも言える実態が浮かんだ。

 議事録によると、都側は2007年5月の専門家会議の第1回会合で「地下の利用はほとんど考えていない」と表明した。その上で土壌汚染対策として、地表から深さ2メートルまで掘削して新しい土と入れ替え、さらに高さ2.5メートルの盛り土をすることを提案した。

 平田氏によると、土壌汚染対策法が問題にするのは、土に含まれる有害物質の濃度と地下水に溶け出した濃度で、揮発したガスは対象外。ただ、専門家会議では「豊洲市場は生鮮食料品を扱う施設で、揮発して地下から地上に出てくるガスも考えなければならないのではないか」との議論になった。

 そこで地下水に環境基準値の1万倍のベンゼンが含まれていると仮定し、地上に揮発してくる濃度を調べることにした。実際に地下水脈まで掘削し、再度土で埋めて調べるのは困難なため、米国などで広く使われている汚染物質移動のリスク評価ソフトを使った。

 専門家会議は都側の提案を踏まえ、4.5メートルの盛り土をしたとして、このソフトで分析した。平田氏は「4.5メートルは都が提案した数字で、科学的な根拠はなかった。しかし、結果的に(計算上)濃度がかなり低くなったので、これなら大丈夫ということになった」と説明した。

 これを受け専門家会議は、敷地全体で4.5メートルの盛り土をするとの土壌汚染対策をまとめ、都に提言した。都中央卸売市場の担当者は「都側から盛り土を提案したことは事実だが、最終的に空洞となった経緯は分からず、調査している」と話している。

 小池百合子知事は15日、パラリンピック閉会式出席のためリオデジャネイロに出発する前に報道陣に対し、専門家会議を再招集して安全性などを検証してもらうことで平田氏と合意したと明かした。都幹部にも盛り土問題の経緯や実態について、自身が帰国するまでに取りまとめるよう指示したという。【川畑さおり、円谷美晶】

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