上野動物園のニホンツキノワグマ、ソウ(雄・推定7歳)、クー(雌・同)、タロコ(雌・推定6歳)の3頭は、母親が駆除されたり、イノシシ用のわなにかかるなどして幼い時に保護されて動物園で育った。クーは初冬眠に備え06年9月から餌を増やした。1日の給餌量は最大1・5倍、摂取カロリーは1・8倍に増えた。11月下旬から餌を減らし、冬眠を促す準備に入った。1日の睡眠時間や呼吸数、行動の変化から12月18日に冬眠に入ったと確認され、肛門に栓をする硬い「止め糞」が排便された07年3月17日に冬眠明けを迎えた。
09年までクーは4回、タロコとソウは1回冬眠。その記録から冬眠日数は平均79日、睡眠時間は1日20時間以上、呼吸数は通常の5分の1程度、冬眠後体重は約20%減ることが分かった。さらに、東京の外気温でも冬眠状態に入ることも判明した。飼育担当の野島大貴さん(24)は「クマ本来の生理的現象の冬眠から動物の素晴らしい生活史を再確認した」。
クマの仲間は交尾後、一時的に受精卵が発生を停止し一定期間を経て再開し着床する「着床遅延」という繁殖生理をもつ。09年、クーたちは性成熟を迎えた。野島さんたちは冬眠下の繁殖に乗り出した。【斉藤三奈子】
毎日新聞 2012年1月28日 地方版
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