ひろしま水辺紀行:2月 /広島
毎日新聞 2012年02月23日 地方版
原爆ドームは、ほぼ3年に一度の健全度調査の真っ最中です。周囲には足場が組まれ、元安川に面した西側はシートで覆われています。興ざめな光景かもしれませんが、人類の負の遺産を後世に引き継ぐ大切な作業なのです。ドームが広島県物産陳列所として開館したのは1915(大正4)年。重厚なたたずまいは市民の自慢だったといいます。まだ舟運が盛んだった時代、川面から見上げる建物の大きさは、いかばかりだったでしょう。原爆の悲劇とともに、失われた街の営みの記憶を次の世代に伝えたいものです。【宇城昇】