記者有情:方言 /福岡
毎日新聞 2012年02月23日 地方版
「大阪の出身ですか」。1月に大阪から福岡に異動し、取材先で会った何人かに聞かれた。生まれ育った地は茨城県。入社以来約9年の関西暮らしで、関西弁がだいぶ身に着いたようだ。
そんな中、原発事故の影響で福島から福岡に避難中の男性と話した。北関東や東北独特の口調で「ここも良いけどね」。心も言葉も故郷を求めるのに、環境が許さない。避難先の生活に慣れ、落ち着きつつある自分への違和感もあるようだった。
東日本大震災では、私の実家や周辺も少なからず被害があった。原発も抱える地域だが、東北に比べ、注目度は低い。福岡になじむうち、また新しい言葉も覚えるだろうが、故郷を思い、何ができるか問い続ける心は忘れずにいたい。【青木絵美】
〔福岡都市圏版〕