良質な「大島石」の産地として知られる、今治市・大島の宮窪地区で、「丁場」と呼ばれる採石場を車で巡る「石文化体験ツアー」が、29日から始まる。地元の農協や漁協などでつくる「宮窪地域活性化推進協議会」が企画。約100年にわたって掘り続けられている丁場で、アメリカ西部の雄大な風景にちなんで名付けられた名所「しまなみアートキャニオン」などを見学。ハンマーを使った「石割」も体験できる。【津島史人】
大島石は、硬くて水漏れが少なく、風化しにくいことで知られる。黒雲母や石英、長石といった成分が均質に含まれていることが利しているとされる。
採石は約700年前から記録が残り、江戸時代に採石事業として盛んになった。最盛期の1989年度には約3万トンの製品を産み出していたものの、近年は景気の悪化などで約1万トンまで落ち込んでいる。
同協議会によると、能島村上水軍の歴史を感じるために宮窪地区を訪れる観光客の中には、岩肌がむき出しになった丁場の様子に興味を持つ人も少なくない。しかし、採石場はがけが多く、重機やダイナマイトを使っており危険で、一般の人は近寄れなかった。
そこで同協議会が、大島石のことを多くの人に知ってもらおうと企画。ツアーは地元活性化に取り組むNPO法人「能島の里」のメンバーが案内する。
しまなみアートキャニオンは、約100年前に大阪・心斎橋に使った石も採石された歴史ある丁場。現在も、七つの石材業者が採石を行っている。標高約260メートルの見学地点からは、落差約80メートルまで掘り下げられた風景や、瀬戸内海の島々も遠望できる。このほか、大島石のオブジェなどがある石文化運動公園で歴史を学び、約50メートルの落差がある丁場を見下ろすことができる「石舞台」も巡る。所要時間は約90分。
ツアーは土日祝日のみで要予約。大人1000円、小学生500円。同町のカレイ山展望公園を午前10時と午後2時に出発。安全確保のため、丁場の見学地点は、ツアーの車と採石業者以外、立ち入り禁止となっている。
問い合わせは同協議会(080・2989・5179)。
毎日新聞 2012年1月26日 地方版
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