にじ:豊かさの指標 /愛知
毎日新聞 2012年02月23日 地方版
朝鮮総連が在日同胞のため運営する朝鮮学校。母国の印象と重なって良い感情を持てない人は多いかもしれない。でも彼らの学園生活を知れば少しはイメージが変わるかもしれない。初級学校などで教師として働いた経験をまとめた日進市の在日コリアン3世、蔡一恵さん(39)の著書「それでも私にできること」(愛知書房、1200円)を読んでそんなことを感じた。
今、蔡さんの学生時代に教室に掲げられた故金日成主席の肖像はない。当時はなかった日本の歴史や地理の授業も行われている。「思想教育は随分減った」と蔡さん。朝鮮学校も変貌を遂げている。
日朝関係が悪くなるたび女子高生のチマチョゴリが切られる事件が起きる。偏見ゆえの行為としたら悲しい。少数派の文化をどこまで尊重できるかは、日本社会の豊かさを計る指標ではないか。問い合わせは蔡さん(090・6351・7732)。【河出伸】